私たちの体は、心臓のポンプ機能によって血液を全身に巡らせています。血液が血管内を流れるときに血管の壁を押す力が「血圧」です。安静にしている若い人なら、上(収縮期)120mmHg、下(拡張期)80mmHgほどが一般的ですが、安静時に上140mmHg以上、または下90mmHg以上が続く場合は高血圧と診断されます。一時的に血圧が高くなるだけでは「病気の高血圧」には当てはまりません。
脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる
障害が残り、仕事や日常生活に支障が出る可能性がある
年間10万人以上が高血圧関連の病気で亡くなっており、日本人の死因の大きな要因にもなっています
今は症状がなくても、将来的に病気が起こる可能性は十分あるのが高血圧の怖いところです。
「高血圧治療ガイドライン2014」による大規模研究のデータでは、
収縮期血圧(上)を10mmHg
拡張期血圧(下)を5mmHg
下げるだけでも、脳卒中のリスクが約40%、**冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)のリスクが約20%**減らせることがわかっています。
高血圧は、頭痛や息切れなどはっきりした症状が出にくいまま進行します。しかし放置すれば、心臓や脳の重い病気を引き起こすリスクがぐんと高まります。
「元気だから大丈夫」と思っていても、将来の安全が保証されるわけではありません。
そこで、将来のリスクを減らすために早めの治療や生活習慣の見直しが大切なのです。
病院に行くのが面倒、薬を飲みたくない…という方は多いかもしれません。しかし、高血圧を改善するためにはまず生活習慣の見直しをおすすめします。それでも改善が難しい場合や、血圧が危険なレベルまで高いときは、お医者さんと相談しながら薬を使ってサポートすることも選択肢になります。
塩分の摂りすぎは血液量を増やし、血圧を上げる大きな原因。
目標は1日6~7g未満。人によっては減塩で血圧が大きく下がる場合もあります。
冬場や夏の冷房時など、室内外の気温差で血圧が急上昇しやすい。
帽子やマフラーなどでこまめに調整し、居間と廊下・トイレなどの温度差も減らしましょう。
冬場の脱衣所の寒さや、長湯による血圧の大きな変動に注意。
40℃程度のお湯に5~10分ほどが目安。浴室や脱衣所を少し暖めてから入浴すると安心です。
冷え込むトイレやしゃがむ動作で血圧が急上昇しやすい。
暖房を入れたり、洋式便器を使うなどでリスクを減らしましょう。
排便時の「いきみ」も血圧を上げるので、便秘対策が大切です。
寝不足になると血圧は上がりやすくなります。
夜更かしを控え、寝る前に軽いストレッチなどでリラックスして質の良い睡眠を。
タバコは血管を収縮させ、動脈硬化も進めます。
高血圧や他の生活習慣病を悪化させる大きな要因なので、できるだけ早く禁煙を。
過度の飲酒は血圧を上げ、脳卒中や心臓病、肝臓病のリスクを高めます。
目安は男性で日本酒1合、ビール中びん1本程度、女性はその半分。
BMI25以上の「肥満」は、高血圧の大きな原因。
過激なダイエットではなく、無理のないペースで体重を落とすことが大切。
医療機関での食事指導や運動メニュー、薬物療法なども活用できます。
息が大きく乱れない程度の有酸素運動が効果的。
ウォーキングや軽いジョギング、水中ウォーキングなど、自分の体力に合った運動を続けることが重要です。
高血圧は、自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気を引き起こすリスクを高めます。とはいえ、生活習慣の見直しや適切な治療によって血圧を下げれば、そのリスクを大きく減らすことができます。
減塩・適度な運動・禁煙・飲酒量のコントロール
良質な睡眠、寒暖差や入浴・トイレでの急激な血圧変化への注意
肥満解消やストレス対策など、できることから少しずつ始めましょう。
「生活習慣を変えるのが難しい…」という場合は、遠慮なく医師や専門家に相談してください。あなたのライフスタイルや健康状態に合わせた対策を一緒に考えてくれます。無理なく続けられる方法を見つけて、血圧をしっかりコントロールしていきましょう。