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痛風予備群「高尿酸血症」とその管理


高尿酸血症とは?

  • 定義: 血液中の尿酸値が7mg/dL以上の状態を指します。
  • 原因:
    1. 腎臓での尿酸排泄の減少
    2. プリン体の過剰製造
  • 影響:
    • 尿酸が結晶化し、関節内に蓄積されることで炎症を引き起こし、痛風発作の原因となります。
    • 長期化すると、合併症のリスクが増加。

高尿酸血症・痛風の経過

  1. 初期:
    尿酸値が高い状態が続くが、症状は出ない。
  2. 痛風発作:
    • ある日突然発生する激しい関節痛。
    • 痛みは主に夜中から明け方に始まり、2~3日間続く。
    • 発作後、1~2週間で痛みがなくなる。
  3. 間欠期:
    • 発作間の無症状期間。
    • 適切な治療がないと再発を繰り返し、徐々に発作の頻度が増加。
  4. 慢性期:
    • 持続的な関節の痛み・腫れが現れる。
    • 通風結節(こぶ状の腫瘤)や関節の破壊・変形が進行。

痛風発作の起こりやすい部位

  • 主に足の親指の付け根(約7割)。
  • その他:
    • アキレス腱
    • 足首
    • 足の甲

痛風の合併症

  1. 腎障害:
    • 尿酸結晶が腎臓に蓄積し、腎機能を低下させる。
  2. 尿路結石:
    • 尿酸が尿路や膀胱に結晶化して結石を形成。
  3. 生活習慣病:
    • メタボリックシンドローム、糖尿病、脂質異常症、高血圧。
  4. 動脈硬化:
    • 心筋梗塞や脳梗塞などのリスク増加。

検査と診断

1. 高尿酸血症の検査

  • 血液検査:
    • 尿酸値
    • 血糖値、脂質、腎機能、肝機能のチェック。
  • その他検査:
    • 狭心症や脂肪肝の確認(心電図・超音波検査)。

2. 痛風の検査

  • レントゲン検査:
    • 関節の状態や他の病気との鑑別診断。
  • 血液検査:
    • 高尿酸血症の原因や合併症の評価。

治療方法

1. 生活指導

  • 食事制限: プリン体を多く含む食品の摂取を控える(例: 内臓肉、魚卵、アルコール)。
  • 運動: 適度な運動で代謝を改善。
  • 飲酒制限: アルコールは尿酸の排泄を抑えるため、節度ある摂取を心がける。

2. 薬物療法

  • 発作時の治療:
    • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で痛みを抑える。
    • 痛風発作中に尿酸値を下げる薬を使用すると、逆に発作が悪化するため避ける。
  • 予防薬:
    • コルヒチン: 痛風発作の前兆を抑える。
    • 尿酸降下薬:
      • 目標尿酸値: 6mg/dL以下を維持。
      • 長期間維持することで、尿酸結晶が溶解し痛風の改善が期待できる。

注意点

  1. 尿酸値管理:
    • 定期的な血液検査で尿酸値をモニタリング。
  2. 合併症予防:
    • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療。
  3. 継続的な治療:
    • 症状がなくても治療を継続することが重要。

高尿酸血症は適切な管理と治療を行えば改善が期待できる疾患です。生活習慣の見直しと医師の指導に従い、健康な生活を維持しましょう。

痛風予備群「高尿酸血症」

腎臓で尿酸の排泄量が減少し体内でプリン体の製造が増えた場合、血液中の尿酸が増えていきます。

高尿酸血症とは尿酸値が7mg/dlを超える場合です。その場合、尿酸の結晶が関節の中に形成され、尿酸値の高い状態が長く続けば続くほど血漿が増え痛風発作が起きやすくなり合併症のリスクが高まります。

高尿酸血症・痛風の経過

尿酸の数値が高い状態のままでいると痛風発作がある日突然起きます。夜中から明け方に激しい痛みが起こり、その痛みは23日間続きます。その後14日以内に痛みはなくなります。ところが適切な治療をせず生活習慣もそのままでいると、高尿酸血症が続き痛風発作を繰り返すようになります。

間欠期からその後徐々に痛みの感覚が短くなり、常に痛みや腫れがある慢性期に移行します。慢性期に移行した場合、繰り返し発作が起きる部位では関節周囲に骨や関節の破壊変形などが現れ通風結節と呼ばれる膨らんだこぶのような症状になります。また、様々な合併症を引き起こします。

痛風発作がおこりやすい場所

痛風発作はほぼ7割が足の親指の付け根に置きますが、アキレス腱、足首、膝や足の甲などにも出てきます。

痛風の合併症

痛風の合併症としては腎障害、これは尿酸の結晶が腎臓に溜まり引き起こされます。尿路結石尿路や膀胱に尿酸がたまり結石を作ります。

メタボリックシンドロームも痛風に合併してきます。

また、糖尿病、脂質異常症や高血圧など数多くの生活習慣病を引き起こしやすいことが分かっています。その結果、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞などの病気に繋がっていきます。

高尿酸血症の検査と治療

生活指導としては食事制限、運動や飲酒制限が中心となります。

検査では血液検査で尿酸値を測り、血糖、脂質、腎機能や肝機能なども調べます。また、狭心症や脂肪肝がないかどうかも確認します。心電図や超音波検査なども行います。

痛風の検査と治療

痛風発作を起こした人は上記の検査に加えレントゲン検査も行います。これは、痛風以外の病気がないかどうか実痛風変形性関節症などの鑑別診断を行うためです。

薬物療法としては痛風発作を起こしている場合は非ステロイド性抗炎症薬を痛みがなくなるまで服用します。痛みのある間は尿酸値を下げる薬を使うことはさらに発作を誘発するため逆効果となります。痛風発作の前触れが出た場合はコルヒチンという薬で痛風発作を抑えることもあります。尿酸値が6mg/dl以下を長期間維持できれば尿酸は徐々に減っていき、尿酸血症も溶けてなくなっていきます。このように痛風は治ることが期待できます。

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