痛風予備群「高尿酸血症」
腎臓で尿酸の排泄量が減少し体内でプリン体の製造が増えた場合、血液中の尿酸が増えていきます。
高尿酸血症とは尿酸値が7mg/dlを超える場合です。その場合、尿酸の結晶が関節の中に形成され、尿酸値の高い状態が長く続けば続くほど血漿が増え痛風発作が起きやすくなり合併症のリスクが高まります。
高尿酸血症・痛風の経過
尿酸の数値が高い状態のままでいると痛風発作がある日突然起きます。夜中から明け方に激しい痛みが起こり、その痛みは23日間続きます。その後14日以内に痛みはなくなります。ところが適切な治療をせず生活習慣もそのままでいると、高尿酸血症が続き痛風発作を繰り返すようになります。
間欠期からその後徐々に痛みの感覚が短くなり、常に痛みや腫れがある慢性期に移行します。慢性期に移行した場合、繰り返し発作が起きる部位では関節周囲に骨や関節の破壊変形などが現れ通風結節と呼ばれる膨らんだこぶのような症状になります。また、様々な合併症を引き起こします。
痛風発作がおこりやすい場所
痛風発作はほぼ7割が足の親指の付け根に置きますが、アキレス腱、足首、膝や足の甲などにも出てきます。
痛風の合併症
痛風の合併症としては腎障害、これは尿酸の結晶が腎臓に溜まり引き起こされます。尿路結石尿路や膀胱に尿酸がたまり結石を作ります。
メタボリックシンドロームも痛風に合併してきます。
また、糖尿病、脂質異常症や高血圧など数多くの生活習慣病を引き起こしやすいことが分かっています。その結果、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞などの病気に繋がっていきます。
高尿酸血症の検査と治療
生活指導としては食事制限、運動や飲酒制限が中心となります。
検査では血液検査で尿酸値を測り、血糖、脂質、腎機能や肝機能なども調べます。また、狭心症や脂肪肝がないかどうかも確認します。心電図や超音波検査なども行います。
痛風の検査と治療
痛風発作を起こした人は上記の検査に加えレントゲン検査も行います。これは、痛風以外の病気がないかどうか実痛風変形性関節症などの鑑別診断を行うためです。
薬物療法としては痛風発作を起こしている場合は非ステロイド性抗炎症薬を痛みがなくなるまで服用します。痛みのある間は尿酸値を下げる薬を使うことはさらに発作を誘発するため逆効果となります。痛風発作の前触れが出た場合はコルヒチンという薬で痛風発作を抑えることもあります。尿酸値が6mg/dl以下を長期間維持できれば尿酸は徐々に減っていき、尿酸血症も溶けてなくなっていきます。このように痛風は治ることが期待できます。