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認知症勉強会まとめ


認知症の理解

1. 認知症とは

  • 認知症は日常生活や仕事の能力低下を引き起こし、以下の要素を含む:
    • 記憶障害
    • 判断力・実行力の低下
    • 言語能力の低下
    • 意識は清明(はっきりしている)

2. 軽度認知機能障害(MCI)

  • 病的な記憶障害が見られるが、日常生活にはまだ大きな支障がない状態。
    • 買い物や公共交通機関の利用は可能。
    • MMSE(Mini-Mental State Examination)スコアが24以上

認知症の診断方法

1. 初診時の評価

  • 簡単な質問で記憶力や認知機能を確認:
    • 年齢現在の月最近のニュースなど。
    • 自己紹介をさせ、患者さんが覚えているか確認。

2. 長谷川式スケール

  • 例題:
    • 桜、猫、電車の単語を覚える。
    • 日付や野菜の名前を答えさせる。
    • 誤りや失点の傾向を観察。

3. MMSE

  • 日常生活に関連する認知機能を評価するツール。

認知症の種類と特徴

1. アルツハイマー型認知症

  • 特徴:
    • アミロイドβタンパクの蓄積から20年を経て発症。
    • 徐々に進行し、周囲に合わせようとする。
    • 海馬の萎縮が見られる。
  • 治療薬: アリセプト、リバスタッチ、レミニール。

2. レビー小体型認知症

  • 特徴:
    • 幻視、認知機能の変動。
    • 良い日と悪い日の差が大きい。
    • 視覚的認知能力の低下。
  • 治療:
    • アリセプト少量投与(0.5mg推奨)。
    • 副作用が出やすい場合は漢方薬の抑肝散を併用。

3. 脳血管性認知症

  • 特徴:
    • 脳血流低下や脳梗塞が原因。
    • 部位ごとに症状が異なる。

予防と早期治療

1. 血管危険因子の治療

  • 高血圧や糖尿病の管理(HbA1cを意識)。
  • 心筋梗塞や脳梗塞のリスク低減。

2. ライフスタイルの改善

  • 運動や知的活動を積極的に取り入れる。

3. 定期的な受診

  • 専門医による半年ごとの診察を推奨。

ケアのポイント

1. 家族への支援

  • 病気の進行に対する時間的余裕を持たせるため、早期からの介護支援が重要。

2. 生活環境の工夫

  • 認知症の症状に応じた安全な環境づくりを行う。

その他の留意点

  • 高齢者の物忘れは必ずしも認知症ではない。
  • ピック病やその他の病態も考慮し、専門医と連携して診断を進める。

認知症の早期発見・適切な治療を行い、患者と家族が共に生活しやすい環境を目指すことが大切です。

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