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胃潰瘍は、胃の内壁に傷ができ、掘り下げられたような状態になる疾患です。主な症状として、胃痛、胃のむかつき、吐血、下血、貧血、動悸、息切れなどが挙げられます。特に、胃壁に深い傷が生じて穿孔(穴が開くこと)すると、非常に激しい痛みが発生します。

原因

胃潰瘍の主な原因は、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染です。ピロリ菌は、胃の粘膜に生息し、炎症を引き起こすことで潰瘍の形成に関与します。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの痛み止めの使用も、胃潰瘍の原因となることがあります。これらの薬剤は、胃の粘膜を保護するプロスタグランジンの生成を抑制し、粘膜の防御機能を低下させるためです。

予防と治療

ピロリ菌感染が確認された場合、除菌治療が有効です。除菌治療では、2種類の抗生物質と、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の計3種類の薬剤を1週間服用します。1回の治療で除菌が成功しなかった場合は、抗生物質の種類を変更して再度治療を行います。ピロリ菌の除菌により、胃潰瘍の再発率を低下させることが期待できます。

一方、痛み止めが原因で胃潰瘍が発生した場合、該当する薬剤の中止や変更が必要です。また、胃粘膜を保護する薬剤の併用や、胃酸分泌を抑制する薬剤の使用も検討されます。これらの対策により、胃潰瘍の治癒を促進し、再発を防ぐことが可能です。

胃潰瘍の予防には、ピロリ菌感染の有無を確認し、必要に応じて除菌治療を受けることが重要です。また、痛み止めの使用に際しては、医師と相談し、適切な薬剤選択や併用療法を検討することが推奨されます。

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