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機能性ディスペプシア(FD)は、胃もたれ、早期満腹感、胃痛などの症状が週に2~3回以上現れる状態を指します。これらの症状は、胃の内視鏡検査で明らかな異常が見られない場合に診断されます。

原因

機能性ディスペプシアの原因は多岐にわたり、以下が主な要因とされています:

  • ストレス:精神的な緊張や不安が胃の機能に影響を与えることがあります。
  • ピロリ菌感染:ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が関与する場合があります。
  • 生活習慣の乱れ:不規則な食事や過度の飲酒、喫煙などが影響します。
  • 胃酸の刺激:過剰な胃酸分泌が症状を引き起こすことがあります。
  • 胃の運動機能異常:胃の蠕動運動の低下や不規則な動きが原因となることがあります。
  • 内臓知覚過敏:胃の感覚が過敏になり、通常では感じない刺激を痛みとして感じることがあります。

これらの要因が複合的に作用し、症状を引き起こすと考えられています。

診断

機能性ディスペプシアの診断には、まず胃の内視鏡検査を行い、胃潰瘍や胃がんなどの器質的疾患がないことを確認します。その上で、症状の持続期間や頻度、生活習慣などを総合的に評価します。

治療法

治療は主に薬物療法が中心となります。以下の薬剤が一般的に使用されます:

  • 胃運動機能改善薬:胃の蠕動運動を促進し、食物の排出をスムーズにします。
  • 胃酸分泌抑制薬:プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬などが用いられ、胃酸の分泌を抑制します。
  • 漢方薬:六君子湯などが症状緩和に効果的とされています。
  • 抗不安薬:ストレスや不安が強い場合に使用されることがあります。

また、生活習慣の改善も重要です。規則正しい食事、適度な運動、ストレス管理などが症状の軽減に寄与します。

機能性ディスペプシアは、症状が長期化しやすいため、医師と相談しながら適切な治療と生活習慣の見直しを行うことが大切です。

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